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雷神の系譜 Pico Magic←クリックで前画面に戻る 世界を救いし隻腕の英雄亡き後 邪神が封印されし地に街を築き 自らが結界の役割を果たし 永き平和への礎と成す… 誇り高き右腕に刻まれし雷の紋章(あかし) 彼の者達の名は 雷神の民 伝承の謎 紋章の秘密 少年が描く軌跡 雷神の系譜 弱い者ほど徒党を組み 身代わりの羊を捜す 愛を知らない幼き日々は 灼けた石の痛み ひとり唇噤んだまま 膝を抱えて耐えていた 雨も宿ればいづれ過ぎ去る 嵐もまた然り されど輝やかざる紋章(しるし) 本当の強さって何だろう? 差し出された少女の小さな手が とても大きく見えた… 黙したまま何も語らぬ歴史の手の平の上で 出会ってしまった少年と少女の物語 十年の歳月も一閃の雷が如く 過ぎ去ってしまえば刹那 今…黒の歴史が再び動き出そうとしている… 遠い空見上げて この胸を焦がす 浮かぶのは彼女の 愛らしい笑顔だけ 適わぬ想いと 識っていながら… 麗しの君は何故 一族の長の娘 部族一強き者の許へ 嫁ぐこと定めしは 変えられぬ民の掟 嗚呼…雷(ちから)無きこの腕じゃ 君のこと護れない? 想いなら誰にも負けないと 叫んでもその言葉 虚しくも風に消えた… 期は満ちようとしていた 長の娘も今年で婚礼を定められし齢十六 その誕生の日が差し迫り 一族の猛者達は競って名乗りを上げた 期は満ちようとしていた 邪悪なる波動が街全体を包み込み 空に立ち込めたる暗雲は 「三度目の嵐」の訪れを告げようとしていた… (「どうなされました?お婆様…」) 「おぉ…何ということじゃ…!黒き法衣(ローブ)を纏いし者達の影が見える… 予言書の使徒、奴らを封印の深奥へ行かせてはならん、 邪神の封印を解こうとしておるのじゃ…! いまや雷神様の血も薄れ、我らに扱えるは小さき雷のみ… あぁ恐ろしいや…!天地を揺るがす強大な力じゃ…来るぞ…あぁ来るぞ…!」 地を割る咆哮 天を裂く爪牙 烈火の如く燃えさかる六対の翼 暗黒を宿した瞳に魅いられただけで 勇猛なる戦士が次々と倒れていった… 嗚呼…人間(ひと)とは神の前では かくも無力なモノなのだろうか… 誰もが深い絶望に呑まれかけていたその瞬間(とき) ひと際眩い閃光が雷(ちから)無き青年の体を貫いた… 「覚醒めよ…勇敢なる右腕を持つ者よ… 直系の雷(ちから)を受け継ぎし者よ… かつて私は邪神(やつ)を封印せし折、雷の槍を放ったが故右腕を失った… 今その雷(ちから)を開放すれば、右腕はおろか全身が吹き飛ぶやも知れぬ… 御主にその覚悟があるか? …ならば今こそ覚醒めよ『雷神の右腕』よ!」 「ひとりでは耐え切れぬ、雷(ちから)でもきっと、ふたりなら大丈夫、私は信じる!」 暗雲を貫く雷 あの日出会った少年と少女は 今…二つの紋章(しるし)重ね合わせて 輝ける未来(とき)を紡ぐ… 「…ちゃん…ねえ…お婆ちゃん…お婆ちゃんったらぁ!」 「どうしたの?それからお話どうなったの?」 「おお…そうだったねえ、ごめんよ」 「その後、雷神様が邪神をやっつけたんだよね?ね?」 「さて、どうだったかねえ…昔の話だからもう忘れちゃったねえ…」 「えー、そんなのずるいよぉ」 「本当はね…本当は…雷神様の力なんてどうでも良かったんだよ… その女の子は、初めて会いたときからずっと、その男の子のことが好きだったから…」 …そう言って微笑んだ祖母の瞳(め)は とても優しい色をしていた …その時の事は今でも印象深く覚えている …私は信じているのだ 雷神の系譜は途絶えていないのだと…
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神々が愛した楽園 ~Belle Isle~ 少年は剣を…←クリックで前画面に戻る 神話は生まれ…伝説は語られ…歴史は唯記される── (ベルアイル) 嗚呼…物語は詠うように紡がれ続ける…… 死を抱き眠る冥闇の水面を渡り揺れる焔… その灯火を生命と呼ぶなら → 言葉は力と成るでしょう… 何時しか其処に奪う者と奪われる者も生まれた… たっだひとつを天秤に架けて → 争いは廻るでしょう… 故郷を喪った仔らは忘れない… 父の無念も…母の哀しみも…嗚呼…遠き大地を… 少年はやがて剣を取るでしょう…そしてその剣が折れても… またその仔らへと託すのでしょう…遥かなる《年月》(どき)の祈りを… (ベルアイル) 平原は荒れ果てて砂漠と化し…海原は立ち上がり大地を呑む… 災厄の根が幾重にも絡み合い…異なる世界を繋ぐ《門》(ゲート)は開かれる… 敵の憎悪は同情を遥かに凌ぎ…侵略ではなく完全なる破壊を望む… 氷と焔の相容れない宿命のように「神々が愛した楽園」は戦場へと変貌した…… 屍を積み上げて ← 土台は築かれる… 脆く儚い現実は…瓦礫の城 亡骸の頂きに ← 平和は咲き誇る… 甘く拙い幻想は…硝子(ガラス)の色 恐怖を差し出ぜば…狂気が降り注ぐ…共存の道を蹴って… 猜疑は爪を研ぎ…正義は牙を剥く…定規を捩じ曲げたまま──いずれ… 少年は白き翼を得るでしょう…そしてその翼が折れても… またあの空へと詠うのでしょう…愚かなる《人々》(かみ)の願いを… 嗚呼…少年は黒き剣を取るでしょう…そしてその剣が折れても… またその仔らへと託すのでしょう…遥かなる《年月》(どき)の祈りを…… 少年は手に『剣』…背に『翼』…瞳に『未来』を── (ベルアイル) 嗚呼…物語は頁(ページ)を捲るように紡がれ続ける →
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辿りつく詩 Elysion ~楽園への前奏曲~←クリックで前画面に戻る 盲目の詩人 ルーナは 静かに唇を開いた… これより歌うは…ある娘が 大切なモノに辿りつく迄の詩 苛酷な旅よ 困難な途よ それでも娘は決して諦めなかった 物語は運命を呪うより 苦しくとも詩い続ける途を選ぶ いづれ歴史が全てを葬りさろうとも 今は唯…瞳(め)を閉じて聴いておくれ 愛しい人よ アナタは何処に 手掛かりひとつなく 孤独な旅の 道連れの詩は 遠い空へ 霞んで消えた 天堕つる雨 手の平に 零れ落ちた雫(なみだ)… 幾つもの深い森を抜けて 険しい山を越え 町から街へ 知人(ひと)から他人(ひと)へと 想い人を 尋ね歩いた 天翔ける追想(ゆめ) 星空に 誓った接吻(やくそく)は… 「嗚呼…エンディミオ…」 虚ろな世界を 夕闇が包み込む 帰れぬ私は 独り何処へ往く 予言書が肯定する史実 争いの歴史 戦禍という名の爪痕 大地を灼き尽くす焔 家族…恋人…愛する者の消息も知れず 多くの者達が為す術もなく引き裂かれた時代 娘の旅は 道連れとなった詩を遡るように とある城で牢番をしていたと言う男へ そして…推測から確信へと辿りついてしまった 切なくも懐かしき調べ その詩を綴ったのは… 挫けそうな私をいつも支えてくれたのは 恋人(アナタ)が最期に遺してくれた この名も無き詩よ 「運命よ…例えお前が瞳から光を奪い去ろうとも、この唇からは詩を奪えない…」 辿りつく詩は 夕闇に陽を灯し 枯れてなお花は 凛と其処に咲く 嗚呼…吹き荒れる悲しみの… 嵐が訪れ 全て薙ぎ倒しても 大切なモノは 絶えず此処(ここ)に在る ──大切な人の 辿りつく詩… 君よ…大切なモノに辿りつく途を見つけたら もう迷うことなかれ ──大切な人の 辿りつく詩… 例え茨の途であろうとも 歌をくちずさめばそれもまた楽し ──大切な人の 辿りつく詩… 詩えない人生になど 意味はないのだから… ──大切な人の 辿りつく詩… 大切なモノへと…辿りつく場所へと… 白鴉が目指す地平…あの空の向こうへ…
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エピソード1:終末を告げし獣~辺境からの生還者 リヴァイアサン/終末を告げし獣←クリックで前画面に戻る 辺境の地ギョレメで 平和維持活動に 従事していた小隊が 消息を絶った… 行方不明になったのは 国籍も人種も性別も違う 五人だった… ──そして二年後…… 生還したのは たったひとりだった……… 『リヴァイアサン』 それは──終末を知らせに降臨する獣の名だ… 誰も疑わぬ『日常』という虚構の中で 靜かに『歯車』は廻ってゆく 誰も出られぬ『日常』という檻の外で 密かに『現実』は換わってゆく 誰も望まぬ『終末』という舞台の上で 靜かに『歯車』は廻ってゆく 誰も気付かぬ『終末』という運命(さだめ)の下で 密かに『現実』は換わってゆく 同じ時刻に別々の場所で 死んだ双子の《浮浪者》(Homeless) 退院後何故か黑子の位置が 鏡面対称の《法務大臣》 『歯車』は廻り…『現実』は入れ換わる… 何かが動き出そうとしている…… 《千年紀》(Millennium)が避けて通った街にも…風に乗って闇の匂いが漂い… 見てはならない者たちが蠢く… きっとこんな夜だ…あの『男』が帰ってくるのは… ──ID… 脳外科… DR.ザグー… 人体を中心から切断した半身を それぞれ復元したのが《鏡人間》(Mirror Human) 医学の起源は魔術であると 《脳外科の権威》(ザグー)はメスを光らせた 拘束された《女》(さつき)は為す術もなく 帰らぬ《男》(ひと)の名を叫ぶ その時ドアを蹴破って 躍り出た影 呼ばれた男が今そこに 共に駈けつけた 恩師《菜々山》の 銃口が火を噴いた… ほら…『男』は帰り…『現実』を入れ換える… 彼らの物語が始まる… 『リヴァイアサン』 ──それは終末を知らせに降臨する獣の名だ… いくつもの獣や魚の身体からなる 天地創世より存在するこの終末の獣は 来るべき最後の審判の日 救い主の手によって捕らえられ… その巨大な肉は聖なる人の食物として 厳かに献上されるという… ──リヴァイアサン… 終末を告げし獣
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[602p] 蒼と白の境界線 Chronicle←クリックで前画面に戻る 海の匂いが好き 心地良い潮風が頬を撫でる ここから見える景色が好き 海と空が同じ蒼で出来きているから… それは愛しき日々 今でもよく覚えてる いつも肩車してもらってたよね パパの背中は 何て大きかったんだろう… 少女は父親が大好きだった 父親は勇敢な船乗りだった いつも優しかった いつも笑っていた 海の向こうの話を聞かせてくれた 少女の小さな地図は いつもその話でいっぱいだった… 覚えてるわ パパの話 白い鯨を見てみたい 双子島にも行ってみたい 潮風に揺られどこまでも… 大人達は皆 分かってはくれない 小さな身体には収まりきらない 大きな夢があるんだ 私は 絶対船乗りになるんだ… 覚えてるわ パパの話 歌う人魚を見てみたい 珊瑚の樹海にも行ってみたい 潮風に揺られどこまでも… こんな晴れた日は 白い紙飛行機を飛ばそう あの蒼い水平線の向こうまで… 何色にでも染まる白は 明日の私だ 境界線なんて何処にも無い 真っ直ぐ蒼に溶けこんでゆけ どこまでも どこまでも… その紙飛行機は 潮風に乗って飛んでゆく どこまでも どこまでも…
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雷神の系譜 Chronicle 2nd←クリックで前画面に戻る 第四巻 27ページ… 世界を救いし隻腕の英雄亡き後 邪神が封印されし地に街を築き 自らが結界の役割を果たし 永き平和への礎と成す… 誇り高き右腕に刻まれし雷の紋章(あかし) 彼の者達の名は 雷神の民 伝承の謎 紋章の秘密 少年が描く軌跡 雷神の系譜 弱い者ほど徒党を組み 身代わりの羊を捜す 愛を知らない幼き日々は 灼けた石の痛み ひとり唇噤んだまま 膝を抱えて耐えていた 雨も宿ればいづれ過ぎ去る 嵐もまた然り されど輝やかざる紋章(しるし) 本当の強さって何だろう? 差し出された少女の小さな手が とても大きく見えた… 黙したまま何も語らぬ歴史の手の平の上で 出会ってしまった少年と少女の物語 十年の歳月も一閃の雷が如く 過ぎ去ってしまえば刹那 今…黒の歴史が再び動き出そうとしている… 遠い空見上げて この胸を焦がす 浮かぶのは彼女の 愛らしい笑顔だけ 適わぬ想いと 識っていながら… 麗しの君は何故 一族の長の娘 部族一強き者の許へ 嫁ぐこと定めしは 変えられぬ民の掟 嗚呼…雷(ちから)無きこの腕じゃ 君のこと護れない? 想いなら誰にも負けないと 叫んでもその言葉 虚しくも風に消えた… 期は満ちようとしていた 長の娘も今年で婚礼を定められし齢十六 その誕生の日が差し迫り 一族の猛者達は競って名乗りを上げた 期は満ちようとしていた 邪悪なる波動が街全体を包み込み 空に立ち込めたる暗雲は <三度目の嵐>の訪れを告げようとしていた… (「どうなされました?お婆様…」) 「おぉ…何ということじゃ…!黒き法衣(ローブ)を纏いし者達の影が見える… 予言書の使徒、奴らを封印の深奥へ行かせてはならん、 邪神の封印を解こうとしておるのじゃ…! いまや雷神様の血も薄れ、我らに扱えるは小さき雷のみ… あぁ恐ろしいや…!天地を揺るがす強大な力じゃ…来るぞ…あぁ来るぞ…!」 地を割る咆哮 天を裂く爪牙 烈火の如く燃えさかる六対の翼 暗黒を宿した瞳に魅いられただけで 勇猛なる戦士が次々と倒れていった… 嗚呼…人間(ひと)とは神の前では かくも無力なモノなのだろうか… 誰もが深い絶望に呑まれかけていたその瞬間(とき) 一際眩い閃光が雷(ちから)無き青年の体を貫いた… 「覚醒めよ…勇敢なる右腕を持つ者よ… 直系の雷(ちから)を受け継ぎし者よ… かつて私は邪神(やつ)を封印せし折、雷の槍を放ったが故右腕を失った… 今その雷(ちから)を開放すれば、右腕はおろか全身が吹き飛ぶやも知れぬ… 御主にその覚悟があるか? …ならば今こそ覚醒めよ<雷神の右腕>よ!」 「ひとりでは耐え切れぬ、雷(ちから)でもきっと、ふたりなら大丈夫、私は信じる!」 暗雲を貫く雷 あの日出会った少年と少女は 今…二つの紋章(しるし)重ね合わせて 輝ける未来(とき)を紡ぐ… 「…ちゃん…ねえ…お婆ちゃん…お婆ちゃんったらぁ!」 「どうしたの?それからお話どうなったの?」 「おお…そうだったねえ、ごめんよ」 「その後、雷神様が邪神をやっつけたんだよね?ね?」 「さて、どうだったかねえ…昔の話だからもう忘れちゃったねえ…」 「えー、そんなのずるいよぉ」 …そう言って微笑んだ祖母の瞳(め)は とても優しい色をしていた …その時の事は今でも印象深く覚えている …私は信じているのだ 雷神の系譜は途絶えていないのだと… 受け継がれるモノ…受け継がれざるモノ… 暗雲を貫く光を翼に受け…その白鴉は羽ばたいて往く…
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蒼と白の境界線 Chronicle 2nd←クリックで前画面に戻る 第十六巻 602ページ… 海の匂いが好き 心地良い潮風が頬を撫でる ここから見える景色が好き 海と空が同じ蒼で出来きているから… 摇れる碧石の首飾り… それは…愛しき日々 今でもよく覚えてる いつも肩車してもらってたよね パパの背中は 何て大きかったんだろう… 少女は父親が大好きだった 父親は勇敢な船乗りだった いつも優しかった いつも笑っていた 海の向こうの話を聞かせてくれた 少女の小さな地図は いつもその話でいっぱいだった… 覚えてるわ パパの話 白い鯨を見てみたい 双子島にも行ってみたい 潮風に揺られどこまでも… 大人達は皆 分かってはくれない 小さな身体には収まりきらない 大きな夢があるんだ 私は 絶対船乗りになるんだ… 覚えてるわ パパの話 歌う海鳥を見てみたい 珊瑚の樹海にも行ってみたい 潮風に揺られどこまでも… こんな晴れた日は 白い紙鳥を飛ばそう あの蒼い水平線の向こうまで… 何色にでも染まる<白>は 明日の私だ <境界線>なんて何処にも無い 真っ直ぐ<蒼>に溶けこんでゆけ どこまでも どこまでも… その紙鳥は潮風に乗って翔んでゆく どこまでも どこまでも…
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檻の中の花 https //www.youtube.com/watch?v=ngfmvvg3uJw Elysion ~楽園への前奏曲~←クリックで前画面に戻る 殺戮の舞台女優『Michele Malebranche』 その生涯には、あまりにも奇怪な謎が多い。 彼女が犯罪史の表舞台に登場する事三度に渡り、 そのいずれもが狂気に満ちた幻想の戯曲として知られている。 (殺戮の舞台女優『Michele Malebranche』 彼女が犯罪史の表舞台に登場する事三度に渡り。 その短い生涯に於いては多くの奇怪な謎が残されたまま 今だ完全には解明されていないのである。) (初舞台「パパの幸せを描いてあげる…」en 21 Novermbre 1887) 実父『Joseph Malebranche』の凄惨な変死事件 証拠不十分及び、年齢に対する 殺害遂行能力に疑問の声が上がる。 現実と幻想の境界を認識出来ていない類の言動を繰り返し、 行動にも尋常ならざる点が多々見受けられた…。 (識られざる幕間劇) 鮮朱から冷蒼へ(De rouge vif au bleu froid)移り変わる 舞台の上に女優(Actrice)を呼ぶ 街角の影(Silhouette)手招くのは 闇(Tenebres)を纏った貴婦人(Damenoble) 素早く抱き寄せ 首筋に熱い接吻(Baiser) 少年(Garcon)の液体(Sang)は仄甘に 血赤色(Rouge)の陶酔感(ゆめ)を紡ぎ 永遠(とわ)の夜(Nuit)に囚われた 花(Fleur)は咲き続ける… (二度目の舞台「もう一度この手で彼女を…」en 30 Juillet 1895) 養父『Armand Ollivier』の手による絞殺・死体遺棄未遂事件 深夜、半狂乱で笑いながら庭に穴を掘っている所を、 近隣住民の通報によって駆けつけた警察官に拠り逮捕。 その後、『Ollivier』は獄中にて完全に発狂した…。 (識られざる幕間劇) 鮮朱から冷蒼へ(De rouge vif au bleu froid)移り変わる 舞台の上に女優(Actrice)を呼ぶ 街角の影(Silhouette)佇むのは 闇(Tenebres)を纏った令嬢(Mademoiselle) 激しく愛して 花弁(Un petale)が堕ちるまで 女(Michele)の勘を甘くみないで 貴方(Monsieur)が愛してるのは しなやかな若い肢体(Jeunesse corps) それは…『私』(Bobo)じゃない… (三度目の舞台「少年の液体は仄甘く」en 4 Fevrier 1903) 『Michele Malebranche』による青少年連続拉致殺害事件 『Rouen』郊外の廃屋にて多数の腐乱死体が発見される。 当時行方不明となっていた十三人の少年達は、変わり果てた姿で 干亁びたような老婆『Michele』の遺体に折り重なっていた…。 (自称…天才犯罪心理学者『M.Christophe Jean-Jacques Saint-Laurent』曰く) 「彼女がどんな魔法を駆使したのか、それは私が識り及ぶ所ではないのだが、 殺害動機という観点でのみ論じるならば、答えは明白である言わざるを得ない」 「彼女は、自らを閉じ込め狭い檻の中から抜け出したかったのでしょうな…それも極めて偏執的なまでに。 …しかし、残念ながらその願望は生涯叶う事は無かった。 …そして、死後一世紀を経過した今でも、彼女はその檻の中にいる…」 「…何故そんな事が断言出来るのか?…良い質問だ。よろしい、誤解を招く事を承知で、 この『Christophe Jean-Jacques Saint-Laurent』あえてここで公言しておこう。 我々もまた、彼女と同じ檻の中にいるからだと…」 (『Michele Malebranche』の手記に遺されていた詩の断片) 檻(Cage)の中で咲き乱れ 枯れ朽ち果てる前に 愛(Amour)を失くしたこの世界に… 捧ぐ…お別れの挨拶(Au revoir) ~連作幻想戯曲『檻の中の花』 (著)Noel Malebranche
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真実の伝言 Roman←クリックで前画面に戻る 嗚呼…昨日のことのように憶えています── それは冬の朝── 呼び声は温かく手を握り諦め── 天使(Angel)の金管(らっぱ)を聴きました… ありふれた人生だったと…我ながらに憶います それでも…アナタを産めたことは『私の誇り』でした…… 嗚呼…昨日のことのように憶えています── 寒い冬の朝── 産声は高らかに天を掴み取り── 橙色(Orange)の光を射しました… ついてない人生だったと…我ながらに憶います それでも…アナタと出逢えたことは『最高の幸運』でした…… 嗚呼…どんな苦難が訪れても…諦めず勇敢に立ち向かいなさい… 愚かな母の最期の願いです…アナタは── 『しあわせにおなりなさい』 「…ごめんなさい」 「…さようなら」 生まれて来る朝 死んで行く夜 君が生きている 現在(いま) 「…ごめんなさい」 「…ありがどう」 十一文字の《伝言》(Message) 幻想物語(Roman) 『第五の地平線』 「嗚呼…其処にロマンは在るのだろうか?」 アナタを産んだのが…誰であれ… 本質は変わらない…何一つ… アナタが望まれて産まれて来たこと… それさえ忘れなければ…いつか繋がれると── 嗚呼…傍で歩みを見守れないのが…無念ですが…どうか…凛と往きなさい 愚かな母の唯一の願いです…アナタは── 『しあわせにおなりなさい』 アナタが今生きている──それが『私が生きた物語の証(Roman)』 この地平線(せかい)愛してくれるなら──それが『私の幸福(Bonheur)』 ──それが『私の物語の意味(Roman)』 「其処にロマンは在るのかしら?」 生まれて来る意味 死んで行く意味 君が生きている 現在(いま) 十一文字の《伝言》(Message) 幻想物語(Roman) 『第五の地平線』 ふたつの風車は 廻り続けるだろう 愛する者と再び 繋げ時間(とき)まで 生と死の荒野を流離う人形は 廻り行く夜 どんな詩を灯しただろうか? そして…地平線を統べる銀色の光…今…幾つの朝が訪れる── 「嗚呼…其処にロマンは在るのだろうか?」
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エピソード3:闇の紳士録~召喚という儀式 リヴァイアサン/終末を告げし獣←クリックで前画面に戻る もう一つの、19世紀ロンドン… 街角に立ち花を売る 華やかな女達を 切り裂いた《刃物》(やいば) 彼が言うには 「ボクじゃない! ボクがやったんじゃない!!」 ──別人格が殺ったと宣う《連続殺人鬼》(Serial Killer) 片面透明鏡(Magic Mirror)越しに訊く 和やかな彼女の名は 「海月、アイリーン、ノリコ、鈴々、綾香、etc...」←56重人格 ──多重人格の暫定的な《記録保持者》(Record Holder) 豪華絢爛(Gorgeous)に飾られた 闇に近い大使館 向かい合った二人の 初老を過ぎた男女 紳士は手に紳士杖(Stick) 淑女の方は車椅子 その後ろで黑衣の 男が凜と睨む 「…移民との共存には、ルールがある!」 「…むしろ、ルールに従わないのは、あなた方のほうだ!」 「…私たちは、契約を容認していない!」 「…だから、先日申し上げたでしょう!? 『宣戦布告』だと!」 嗚呼…平行線を辿る議論 交涉虚しく《決裂》(Break Out) 光側の勢力 vs 闇側の勢力 …戦いは既に始まっている! (The lightside the darkside... the fight already start!) 失意に濡れている 橫顔は誰かと同じ… 殺意に摇れている 橫顔は誰かと同じ… 吹き荒れる民営化による 《企業経営再構築的解雇》(Restru)の嵐 憎悪の海を彷徨う小舟に 手を差し伸べたのは 「殺せば?」と言う少年の囁き… 民営化が彼を殺すのか? それとも彼が民営化を殺すのか? (That s who privatization killed him or that he killed privatization?) 民営化が彼を殺すのか? それとも彼が民営化を殺すのか? (That s who privatization killed him or that he killed privatization?) ──そして男は紳士録を手に取った………